食欲の秋に不味さを科学する
旨さってのは徹底的に科学されている。
そして日夜料理人や科学者、食品メーカーは必死になって
旨さの謎を解こうとしている。
そして美食家といわれる連中は旨いものを求め、日夜高い
金を支払う。それだけでなく一般人も旨いものを求める。
…お前らそんなに旨いもの食いたいか。
ていうか、不味いものは基本的に喰いたくないよな。
そらそうだわな。
では不味さってどこからやってくるのか?
材料がへぼけりゃ不味いのか。
そんなことを思ってとある深夜番組をなんとなく見ていた。
…不味さってのは材料だけの問題ではないのは確実のようだ。
とある局の某深夜番組だが、そこにいろんな女性タレントがやってきて
料理を作る。んが!そこで繰り広げられるのは大体何故か地獄絵図。
この番組、3年くらいやってるようだがメイン進行の人は合計200リバース
くらいしているような気がする。
しかし、この番組で出される材料は基本的に「いいもの」だ。
もちろんきちんと作れば美味しくいただける。
当然上手い人もいるわけだが、そういう人の料理は見てみても旨そうだ。
人間というのは視覚の生き物で、下手すりゃ喰えそうに無いものですら
視覚に頼ってかじりついてしまう場合もある。
喰えないものを喰ってしまった記憶は人間には絶対にあるはずだ。
とはいえ、においってのももちろん大事だ。
場合によったら悪臭かもしれないが。
そして味。
不味さとは、辛すぎたり素材に合ってなかったり、妙に脂ぎってたり
焦げてたり、腐敗している味等が挙げられる。
喰える範囲から外れた味だったら不味いと感じると。
さっきの番組の料理のあるものは催吐性まで持っている。
平たく言えばリバース属性。
何故リバースするかって言えば、人体が「これは毒だ!」と
認識したためである。栄養価その他は関係ない。
なんと不味いものはそれだけで、カロリー消費が20%減以上の不味さ修正を受ける。
実は旨いものほど、カロリーの消費量は高まる傾向にあるのだ。
逆に不味いものはカロリーの消費量は少ない。
ていうか体が受け付けないため、たぶん消化されないのだろう。
人体はこんなにも複数の機構で毒物を事前に回避しようとしているのだ。
それなのに…リーダー、あんた男、いや漢だよ。
あえて自ら地雷原に飛び込んでいく漢、リーダーに幸あれ。
…とここで終わったら普通なので、さらに突っ込んでみる。
何故人は作りたくも無い不味い料理を作るのか?
実はそうではない。
誰しも最初は旨く作れるわけではない。高度な料理は高度な実験に匹敵する。
実験手法と料理手法は近いところがあるからな。
そこらへんの人がフランス料理を作れるか?無理だ。
それは実はそこらへんの人が最先端の研究をできるかというのと同意だ。
すると何だ?
最先端の研究者は一流料理人になれるのか?
…昔キューリー婦人が結婚したての頃、料理が下手だったそうだ。
ところが実験の手法を取り入れたところ、一流の料理人並になったらしい。
だから逆に、多分一流の料理人は一流の研究者にもなれると思う。
あまりなりたいと思わないだろうけどね。